すみっこぐらしの映画が辛かった(ネタバレ)

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巷で話題のやつを見た。
もともとすみっこぐらしが好きだったこともあり、映画化したのは嬉しい。公開二日くらいでTwitterで評判になり始め、期待を胸に本日観賞した。
可愛らしい子供たちと、黒っぽい大人が並んで観賞する絵面である。大きなお友達(男性)向け上映、とかやり始めたので配慮は流石だなと思った。
もともとすみっこぐらしが大人が共感できるようなポイントを押さえていることもあり、ストーリーはちょっとだけネガティブな個性が手前に出ている。

個人的に辛かったポイントは、ぺんぎん?のコミュニケーションだ。

ぺんぎん?は自分探しをしている設定である。彼?は集団で過ごしているときに、自分だけ本を読み始めるなど社会性のない振る舞いをしてぶっきらぼうだが、ひよこに出会うと態度が一変する。
ひよこが自分のアイデンティティーや仲間を見失っている存在だとわかったからだ。
彼?は、自分と同じ境遇であるとわかった途端、やたらひよこに世話を焼き、ひよこに優しくするようになったのだ。

私はこのシーンを見て非常に辛くなった。
ぺんぎん?のそっけない側面とのギャップを描くために、実は優しい一面があると伝えたかったのだろうが、このコミュニケーション、身に覚えがありすぎて辛くなった。メサコン的な振る舞いである。
思わず、ギャーッと叫びたくなってしまった。

もう一つ辛くなったのが、狼のとんかつに対する態度だ。とんかつは高カロリーゆえに誰からも食べてもらえないという悩みがある。そんな彼?は赤ずきんの物語の世界で、狼に喜んで食べられようとする。(ここはキャラクターの設定と物語の流れが合っていてとてもよかった)しかし狼は優しさゆえに、直接的に「油の固まりは食べられない」と言わず、曖昧な態度でとんかつに接し、とんかつから逃げる。その後も言葉を濁してとんかつとコミュニケーションをするのだ。なんて残酷な優しさだろう。
こういうの、どこかでやった気がするぞ。そうだ、社会だ。

このように、グサッと来るような思い当たる節が散りばめられている。みたいなことを考えていると、可愛いビジュアルが頭に入ってこない。ビジュアルなのに。私は一体、何を見ているのだろう。

物語の突っ込みはこの程度にして、やっぱりキャラクターは非常にかわいかった。フワッと感があるひよこに、もちっとほどよい重量感があるすみっこ達。ぬいぐるみやキャラクター好きのわたしにとって、たまらないです。

この映画、一言で表すと……

「あなたの周りの世界は…あなたが思うより、ちょっとだけ、優しいよ」

*1


あれ?これエロゲじゃね……?

*1:フォセット-Cafe au Le Ciel Bleu-収録「里伽子抄」より

11/16

全部嘘です全部、ひたすら泣く、辻褄が合わないから泣く。泣いても解決しないし、物事はいい方向に進みません。嘘です。確証バイアス。泣くのを殺すと喉のあたりがいたくなる。喉のあたりの筋肉と心臓は繋がってるらしい。そんなことある?嘘です。泣きます、泣いてると面白がった子供が指差して鼻水垂れてるよと指摘します、これが世界の事実で、全てだからです。

酒の純情

うつくしいものだけがほんとうです。そう言えた10代の心に戻りたい。大人を汚いと思い、避けることができた頃に、戻りたい。みんな大人になってしまった。友達も、好きな人も、なにもかも。物事をきれいなままでだなんて、とんでもない、定義付け、正確に持っていかなければならないと言って、理解の範疇から溢れる感情をピタリと止めるような。本当はもっとあるはずでしょ?本当はもっとあったよね?問うても、曖昧なものはアルコールを混ぜないと、もう出てこない。酔いがさめた明日には忘れているかも。そうだね、とわたし。酩酊状態、きみ、大笑いしたり、声をあげたり、嫌なことを叫び、愛を叫び、鬼ごっこしようと道路をかける姿を見て肩を落とすわたし、あの頃とは違うものを見ている気がして。

『きまぐれテンプテーション』感想とゲームの雰囲気

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シルキーズプラスの新作が出ましたので即買いしました。

シルキーズプラスと言えば、 すめらぎ琥珀の美麗イラストと

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真夜中にプレイすると真顔になる展開だよ。

 

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なないろリンカネーション【萌えゲーアワード2014 準大賞受賞】なないろリンカネーション【萌えゲーアワード2014 準大賞受賞】

 

前作がこんな感じの雰囲気だったので、今回も!?と期待して購入。

あらすじ

とあるマンションで、四人の住人全員が死亡する事件が起こった。
遺体は腹を裂かれた上に臓器が持ち去られているという不可解極まりない状態で発見された。
マンション内に満ちた濃い瘴気が事件の背後に霊的な何かが存在する事を匂わせている。

www.silkysplus.jp

 

わあ~先輩!これもうドッキドキのわっくわくじゃないですかあ!

 

E-moteでキャラクターの立ち絵がぬるぬる動きます。すごE。

陰陽師の主人公がこの激ヤバ心理的瑕疵物件で調査をしながら、イギリスから来た謎の悪魔ちゃん(ビジュアルはサキュバス)ことアンネリーゼちゃんと同棲しながら事件を解明していく話です。

アンネリーゼちゃんはどうやらニッポンのオタクカルチャーに興味深々のご様子。

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セリフに合わせて、可愛い仕草をしてくれる。

E-moteトゥハート2ps3?とかに移植された時に、cgを引き伸ばす要領で動いているように見せる技術……といったことがG'smagazineのインタビューに載っていた気がする。トニカクカワイイ

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童貞の主人公を煽っていくスタイルのアンネリーゼちゃん

歩サラボイスのテンションが可愛くて、ゴリゴリのきゃぴきゃぴキャラじゃないので、許せます……。サラさんは虚ノ少女でヒロインを演じていた時に知りましたが、アニメキャラっぽくない声が良い意味でキャラクターのビジュアルとマッチしていて今回とても良いです……。

そのままなし崩しにアンネリーゼちゃんに押されて主人公はエッチしてしまいます。

 

あれ、事件はどうなったの?

 

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ビジュアルは優しそうだけど彼女も死人

こんな風に『話す』『調べる』『移動する』を駆使して、部屋の中や死人の女の子たちと会話をして事件の真相を調べていく……という感じです。わりと古典的なシステムだったりするので、めんどくさい人にとっては厳しいかも。(推理ゲーあるあるな、3回調べると出てくる証拠品とかあります)

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あっ(察し

激ヤバマンションに居座る死人の女の子の部屋です。もう既に先行き不安になってきましたね……。

このゲーム自体、プレイ時間が5時間くらいなので、そこまでゆったりテンポじゃないこともあり、サクサク進みます。

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ジワジワと不穏な展開に

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一歩間違えると、本性が……

死人ちゃんたちから色々聞いていくと、事件の真相が見えてきます。

マンションで一体何があったのか、なぜ彼女たちが死んでしまったのか。

アンネリーゼちゃんはただの悪魔なのか。なんでこんなアニメキャラみたいな衣装を着ているのか……など細かいポイントの点と点が繋がっていきます。

ちょっと気になった点は、死人の黒幕に証拠を突き付けて、真相解明していくところ。

死んでいるキャラクターに論理性ってあるのかしら。意外と主人公は情熱的?なので、得た証拠を見せては、黒幕に向かって「お前はクズだ!!!!」と説教を始める。まあでもクズじゃないとそもそも事件が起きないので、道徳的な側面から情に訴えるのはどうなのかと思った。

でもこのビジュアルで一見抜きゲーを思わせて、実はミステリーホラーでした!!!

という展開実はかなり好きなので今後も続けて欲しいです。

きまぐれテンプテーションきまぐれテンプテーション

 

 

個人的に気になっているエロゲをエロゲ買えなかった頃の思い出と共に紹介する①

やろうやろう思ってやってなかったエロゲをちまちままとめてみたり。

オススメとか割と聞かれるのと、エロゲ文化が死につつあるので、知っている知識をとにかく自分メモ用にもまとめていけたらなあと。

 

ふぃぎゅ@メイト

ふぃぎゅ@メイト【美少女ゲームアワード2007 主題歌賞】ふぃぎゅ@メイト【美少女ゲームアワード2007 主題歌賞】

ふぃぎゅあっとふぃぎゅあっとふぃぎゅあっとあっとめいと~♪

という電波ソングで有名になった作品。2006年くらいのニコニコ動画でしょっちゅう耳にしていた。2006年、エロゲを堂々とプレイできなかったお年頃、片っ端からエロゲの体験版を落としてはプレイして……また落としてはプレイして……を繰り返していた学生時代。ネカマをしていた頃のゲーム好きの友人に「最近面白いゲームある?」と聞いて教えてもらった事が昨日のことのようで涙が出るね。

ふぃぎゅ@メイトは体験版を一通り終えたあとも何度もプレイした記憶がある。

ザ・エロ!!だけじゃなくてシステムやゲーム性が画期的で、ガチャガチャ要素があったりして当時凄く新鮮だった。そのちょっと後くらいに出た『むすめーかー』も画期的だった。

 

The BLUE 極

The BLUE 極The BLUE 極

個人的に気になっていた、『とらいあんぐるBLUE』と『DARK BLUE』が収録されているパック作品。

『DARK BLUE』は2、3年前にメガストアの付録で付いていた。あれだね、双子?の女の子を真っ二つに人間割ったのをくっつけたCGで有名になったグロ作品です……。

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『とらいあんぐるBLUE』はNTR系作品。この時の綾瀬はづきのイラストが超かわいい。当時エロゲを堂々とプレイできなかった頃の私は、ハーヴェストノベルズを、アニメイトでこそこそと買っては、エロゲのストーリーの雰囲気を味わっていた。巻末の広告欄でこの作品をみて、可愛い絵!と反応していた。当時はNTRなんて理解できなかったのでエロ目的作品だと思い避けていたが、大人になったので楽しめるだろう……。大人になるって汚れることなんだね……。*1

ちなみに話変わって、ハーヴェストノベルズで「すごい!」と思ったのは『School Days』の言葉編と世界編。『「世界」が敵でも、構わない』、『「言葉」なんていらない……』という帯のキャッチが書かれた帯はお見事!でした。

魔王と踊れ!DL版

魔王と踊れ!DL版魔王と踊れ!DL版

これは話の内容は知らないけど、霜月はるかのアルバムに収録されていたOP曲が好きで、気になった作品。RPGって普段やらないので、進められるか心配だけどいつかやってみたいなと思っていたり……。

www.youtube.com

 

その他もろもろエロゲニュース

なんと『うたわれるもの』シリーズが全作品無料に。

衝撃的。これがコケたら、もう現代人がゼロ年代のエロゲの文章量についていけなくなった決定打になる気がしてちょっと怖い気持ち半分、嬉しい気持ち半分。

スマホでエロゲが遊べる!というアプリが出るニュースも耳にしたけど、スマホでエロゲやる意味って何なんだろうとこの頃思ったり。

駅中にあったアクアプラスの広告が、自虐ネタではと言われてたけど、この企画のための仕込みだったのかな。

 

Rewrite』の英語版が出そう?

エロゲではないけど、keyなので一応。

クラウドファンディングで資金募っている様子。『Rewrite』はEDの『闇の彼方へ』が良かったな。もうほぼ秋終わってるけど、秋の夜にピッタリな曲調で非常にオススメです。

最近文フリで文章書くのに追われているし、スランプなのでエロゲについて喋ると饒舌になれる自分がいて良かった……。文フリ間に合わない気がするし……。

エロゲには感謝しかない……。 

*1:ゆびさきミルクティー10巻の最終話くらいのセリフ

それは百合か?

またメモのような文章になるが、百合とは何かという問題である。

 

私が初めて百合に括られる作品に触れたのは、幼少期、朝の時間に放送されていた『マリみて』であった。当初それを百合だと感じたことは無かったが、のちに様々な百合と呼ばれる作品を鑑賞して私は、あれこそ私の思う百合だったのだ、と確信した。

 

他にも、『セーラームーン』のはるかとみちるなども私の好きな百合だった。あの二人がストーリーの主軸ではないからこそ、意味深なセリフの端々から、親密な関係性があるのだという想像が膨らむ。

 

つまり、私にとって百合の正体とは想像性を発揮できる意味深な関係性であった。

 

百合名作として知られる『少女セクト』も私の大好きな百合作品だ。
作中の人物は、キスもそれ以上のことも平気でしている。
アダルトなシーンがあるからレズでは?と思うかもしれない。

 

それでも、私にとって『少女セクト』は立派な百合である。

 

本作は、あまり連続性のない、1話完結型に近い構成だ。また、1話につき毎回必ずアダルトなシーンが挟まれる。その行為の中で、キャラクターたちは断片的な言葉を交わしていく。

 

例えば、第八話の桃子×隼砥先生の回では、桃子は思信というキャラクターに気持ちが傾いている一方で、学校教師の隼砥先生と関係を持っていることが判明する。二人は当然のように隼砥先生のアパートへと向かい、行為を始める。隼砥先生は最中、自身の恋愛エピソードを話し始める。幼少期から女性に興味があり、近所の女の人と関係を持ったこと、高校時代のエピソード、風俗嬢の女の子と関係を持ったこと、などについてだ。朝チュンしたその後、唐突に隼砥先生の病気が発覚し、隼砥先生はあっけなく学校からフェードアウトしてしまうところで終わる。


エピソードの終わりにはキャラクターの設定が書いてあり、桃子の場合、強烈なコロンを愛用していること、女の子に甘いこと、母子家庭であること、母親の仕事、特技などが細かく記載されている。

一見、女の子たちが性に奔放であるようにも思える少女セクトだが、セリフや設定をじっくりと読んでどういった背景があり、そのキャラクターに惹かれたのかなど想像を膨らませていくことができる点が魅力的だ。

 

だが、最大の魅力は、セックスがゴールになっていないところ、また一人だけと性行為をすること=好き、ではないとして、保守的な価値観を排除している点だ。

 

性表現をしつつ、関係性の背景をチラ見せしていく描写は、まさにエロ漫画でしか出来ない『百合』を開拓した、エロ漫画界の百合パイオニアなのではないだろうか。

 

といった感じに、私は自身の百合好きを振り返って、たまに整理している。
他にも「これは最高の百合だ!」と言える作品はいくつかあるが、長くなってしまうので今回は省略。ちなみに秋山はるさんの『オクターヴ』が大好きです。(いつか語ります)

 

なんで今その話をするのかというと、近年、百合の形をした(ビジュアル的な意味を含め)百合っぽい作品があまりにも多いのだ。想像する余地を与えてくれる百合に久しく出会っていない……気がする。(もしあったら、教えてください)

 

上記のような『好き』を踏まえつつ、近年の百合っぽさの流れとは違った作品を書けたらな~と『文学フリマ』とかイベントに向けて頑張っているよ!っていう話でした。おわります。

『天気の子』感想

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天気の子を見ました。

新海誠といえば、私にとっては、昔好きだった人に異常なまでに執着するピュアな男心(世間では童貞心と言う)を映像美で美化してくれる『秒速5センチメートルで、真っ昼間の新宿御苑で雨に濡れた大人の女性のセクシーな裸足にドキッとする『言の葉の庭でした。

 

3年前くらいに公開された前作『君の名は。』では、今までの作品とは打って変わって、音楽がちょっと病んだ10代に馴染み深いRADWIMPSになったり、新海節独特のモノローグがいつもより減ったり、若者をターゲットにしているかのようなテンポの良さがあったりで、全体の調和が取れており、結果、大衆に大ヒットしましたよね。

今作は、私の好きだった新海誠の要素を取り入れつつ、それを大衆に向けて作ったような内容でした。辻褄が合わなかったり、千と千尋のパロディみたいなシーンがあったかと思えば線路を走りだしたり、雨で沈んだ東京でどうやって作物とか経済回したんだよ!とか、おっぱいハイウェイなお姉さんや、様々な要素を整理することなく詰め込んだ本作。ツッコミどころ満載ですが、「前作より良かった」「前作よりクソだった」そんなことを客にわざと言わせるようにあえて作っているのではないだろうか……。新海誠恐ろしい子……。

 私は、新海監督のそういういたずらっぽさというか、攻撃的な人を試すような姿勢が好き、という個人的な理由で今作は前作よりはちゃめちゃ好きです。

 

 物語は、歌舞伎町の汚い東京から始まります。

『君の名は』で描かれたようなキラキラした東京というのは一切出てきません。
田舎の少女、三葉が夢見た、瀧くんが送る生活のような東京の姿とは真逆の、東京の闇だけが描かれてます。攻撃的だね!!!※しかも協賛企業の出演の仕方が完全に汚い闇の側面として登場したのがまた皮肉きいてて良かったです。怒られなかったのかな。


主人公は、家族とも友達ともうまく行ってないわけでもないがとりあえず東京に憧れてやってきて、仕事を探して、偶然、拳銃拾って、最終的にオカルト雑誌のライターというバイトにたどり着きます。そこで売れないライターのおじさん、須賀さんに再会します。須賀さんもまたこじれた人で、半分大人で、半分くらいまだ子供っぽさがるというか、青臭いです。主人公にも新海さん本人っぽい要素あったけど、ちょっとこのキャラクターにもその要素を感じます……。

 

貧乏生活の主人公はマクドナルドでぼーっと過ごし、yahoo知恵袋で質問して(この発想も非常に10代っぽくて好き)、インターネットの陰湿な説教オタクに意地悪な現実を諭されて、ちょっと不機嫌になる。

そんな風に時間を潰していたある日、マクドナルドでバイトする女の子にビッグマックを奢ってもらいます。主人公はそれを食べながら「僕の16年の人生で、これが間違いなく、一番おいしい食事だった」と思います。

ここがまた10代っぽくて良いです。この年頃ってなぜか、今まで一番とか、人生で一番とか、やたらと言いたがる年頃だと思うんです。そんなわけないだろ!と思いつつも、このモノローグの表現には納得する自分もいました。

この価値観は、須賀さんの「16?17?18?大して変わんねえじゃん」というセリフからも読み取れます。10代にとっての1歳差の大きさ(一学年上の先輩って怖くないですか?私は上下関係が厳しい学校だったので、怖かったです)が、大人の立場の須賀からは理解できないものであることがわかります。

究極のところ、主人公とヒロインの帆高と陽菜の関係にも言えるのではないでしょうか。

どうしたって、大人の価値観で考えると、こんな短期間で出会った人に対して「好きだ」や「あなたがいればいい」的な発想には至らないはずです。

 

けど10代は違う。

 

10代で出会った好きな人で恋愛の価値観がこじれたり、価値観が歪んだり、なんてざらだと思います。この点には共感できる人もいるのではないでしょうか。やたら大人びようとして、あって間もない異性に永遠の愛を誓ってみたり、「愛してる」と口走ったりするものです。そんなんありえねえだろ!と思わずツッコミを入れたくなるのは、我々が冷静さを現実で嫌々身に付けた、大人になってしまったからです……。

 

須賀さんは幸い?半分くらい帆高君に共感できる子供っぽさと、現実にボコボコにされてきた(例えば彼の娘の件とかそうだと思う)オトナな側面を持ち合わせているので、「もう大人になれよ、少年」と帆高君に厳しい一言を言ってみては、ちょっと助けてあげたり、何かと情緒不安定な行動を取ります。

須賀さんにはその中途半端さに終始イライラしたんですけど、子供と大人の側面のゆらぎが妙に生々しくて描かれていたように思えました。

 

映画の途中、ファンサービスのように前作のキャラクターの三葉ちゃんと瀧くんが登場しましたが、あれは最高の皮肉な気がしました。

前作のキャラクターが登場することで、前作で新海さんが描いたキラキラした東京と、今作で描かれた東京の闇は同じ世界の出来事、ということになってしまうからです。

ひええ……。

君の名はが光だとしたら、天気の子は闇そのもの。

すごい攻撃性を感じるんですけど……。

大衆向けに寄せていったかと思えば、そこで得たファンに伝えたいことを伝えたいままストレートにぶつけてくる。

ちょうど天気の子が公開されたのは、長い長い梅雨が続いていたタイミング。まるで、予期していたのかのようなピッタリさにも驚きでした。

今年は異例な梅雨でしたが、昨年は猛暑が話題になりましたよね。

毎年のように、夏が来れば酷暑が、冬が来れば大雪が続きますが、

観測史上初めてと報道される『異常気象』には、慣れましたか?

この世界の環境も、元々狂っていて、私たちもこの狂った世界で狂った価値観を構築していく。どうしてそこに「正しさ」や「正論」を持ち込む必要があるんだろう。

 

「世界は狂ったままでいいんじゃない?」

 

そんな、幼さを感じる問いかけに、あなたの価値観は、どんな違和感覚えましたか?