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冷静と失禁のあいだ

アンハッピーセットのオマケは幸せな夢を孕むか

骨の話

文字通り骨を拾ってきた。

喉仏の骨はかなりきれいに残っていて、形を確認させてもらえた。すると、アラ不思議。胡座をかいて手をあわせている人の形に見える。喉仏という名称は、この骨の形が手をあわせている仏様に見えるからという逸話?に由来しているらしい。

幾つかの骨は何か赤やピンクのシミが付着していて、それが何なのか気になって食い入るように見てしまった。

棺桶に入れた花が骨に色を落としてくれた物だと思うことにして、余計なことまで尋ねるのをそこでやめにした。髪の毛には線香の匂いがまだ執拗にこびりついている。

昼過ぎに祖母の容体が急変して、両親と病院へ向かった。午前の検診では何事もなくいつもの様子です、との報告を聞いていたので、驚いた。嘔吐を繰り返しているが血圧などは問題ない、といった電話の2分後に呼吸が止まってしまったので今すぐ搬送先の病院に来てください、と連絡があり、電話越しの声の後ろ側では27,28...!と数を数える人たちの声が聞こえて、まずいと思い、病院まで急いだ。胸のあたりがざわざわして、いよいよだと思い、深呼吸をした。わたしの頭の中はパニックで涙も止まらないし、過呼吸になるし、そのままお腹も壊して手間を取らせてしまった。

そうこうしているうちに、再び電話が鳴った。「心臓マッサージをこれ以上続けると、胸部の骨がゆがんでしまいます。止めてもいいですか?」と聞かれた。「はい」と言って父は電話を切った。

情けない。猛烈な吐き気のなかで、やるせなさに涙がまたボロボロと垂れた。もう大学を卒業するというのに、肝心な所で体調を崩す自分があまりにも大人げなくて情けなかった。もし、父や母の体調が今の祖母のようになった時、こんな状態になってしまったら、どうしよう。恐らく、わたしは一生自分の事を許せなくなってしまうだろう。

何とか病院にたどり着いて窓口に声をかけたら、何人かのスタッフが死亡届について話していた。間に合わなかった。私たちが到着したころには、祖母の身体は真っ白で、ガリガリで、やせ細り、何人かの医師がドタバタとする中で、時間が止まったように停止している状態だった。表情は苦しそうだったり、穏やかだったりするわけでも無く、ただ動かなくなってしまっているだけのようだった。

姉が祖母に声をかけ、手を握り、頬を撫でた。わたしはそういった声掛けやケアが出来なくて、ただその様子をじっと見つめていた。姉が泣きながら祖母に声をかけ続けた。「頑張ったね、頑張ったね。大変だったもんね。こんなに細くなっちゃったものね」

姉が祖母とコミュニケーションをする様子は、ますます、祖母は亡くなってしまったのだという事実を現実的なものにした。

祖母について覚えている事があまりない。お正月に遊びに行って、きれいに飾られた色とりどりの着物や、一緒に食べたインスタントのお吸い物の事とか、せっかく買ってきてくれたものに幼い時の私が文句をつけてしまったり、そういうことくらいしか思い出せない。ここの所、何度も記憶の中に祖母とのやり取りを思い出そうとしたが、家と部屋の構造以上に鮮明な記憶は今述べた事しかなかった。

祖母は何を考えながら亡くなったのだろう。沢山の人たちに声をかけられて、幸せに天国へ行くのが理想的なのかもしれないが、それは周りの人たちとの思い出や過去を想起できるから、幸せなのであり、祖母はそうではなかった。じゃあ一体、私たちや先に亡くなった祖父の代わりに、最後に何を思い浮かべたのだろう。

いつから想起できなくなったのか、いつまで思い出せたのか。でもいつか、色々なことを思い出せなくなる日は来てしまう。『現在に生きて過去を思い出すのは』『年寄りのする事』かもしれないが『歳を取ったら過去を思い出せなくなる。若いうちにしておく。過去の人生がひとつの弧を描いてて、出来事が次の出来事に繋がっている、一本の線だ』

年を取って、一本の線を描けないまま、ただ自分がそこにいる、何故かはわからないし、思い出せない。人とのつながり、自分のしてきたこと、過去とのつながりを失い、そこにぽつんと存在する点のような状態になる事が、死を通して、何よりも怖いと思った。

アンドロイドが来た夜の日記

12がつ23にち 雪

アンドロイドが来たのはさむい、さむい冬の事でした。

クリスマスプレゼントの買い物でにぎわう商店街の一角の電気屋さんで、ひと際大きな声が上がりました。みんなが振り向き、電気屋さんに駆け寄ると、テレビのリポーターが仰々しく「遂に登場!我々が望んだ、人間の非人間!意思のない有能な無知!」と、どこにでもいそうな男の子と女の子を紹介しました。彼らはアンドロイドだったのです。

たいへん!クリスマスプレゼントどころじゃありません、どこもかしこも大騒ぎ。アンドロイドを買おうと大はしゃぎ。テレビの特集も、あらゆるメディアでアンドロイドの特集が組まれるようになりました。

アンドロイドが生活に、アンドロイドと生活に。今後、わたしたちの生活はどのように変化していくのでしょうか。わたしはちょっと楽しみです。今日、わたしの家にもついにアンドロイドが来るのです!どういう子なのでしょうか。わたしは、その子とお友達になれるでしょうか。ああ、楽しみ!お友達が増えたら、きっとママが喜ぶと思うの!そして、わたしや、わたしの弟に、優しくしてくれたらなあ、って。弟はもうしばらくママからご飯をもらえてないの。だからお腹が空くと泣いちゃう。かわいそうな弟。泣くとママが叩くのに。

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芽生えるじゃなくて、次第にじゃなくて、うまれるやつ

初めて痴漢にあった時、わたしは小学生で、電車の中にいた。電車の中にいたわたしは、その行為の意味が全く分からなかった。

 

今でもまだ、その時の事を、かなりよく覚えている。具合が悪くなるとその時の映像が頭で再生されるからだ。

男が乗っていた車両は二列目で、わたしが電車に乗り込むと、なぜか、ニンマリと笑みを浮かべ始めた。中年の小太りの男で、灰色のパーカーを着ていた。脂ぎった顔はテカテカとしていて、そういった印象が恐怖に拍車をかけた。痴漢を経験する以前のわたしは、大人に明らかな悪意を向けられたことがなかった。

けれど、男が浮かべた笑みの不気味さに、何か悪意があることは不思議と読み取る事ができて、わたしはすぐに、次の停車駅で降りようと決めた。

その行為は、今は正直、とても悲しいけど理解できるし、よくわかっている。セックスやセックスへの欲望が存在しているから、痴漢の存在の意味が理解できる。だけど、小学生のわたしはあまりに正しかったので、痴漢の行為の意味がよく理解できなかった。今のわたしは、大人だ。大人になるまでの間、段々と歳を重ねる内に、正しくなくなっていってから物事の存在意義が明確に輪郭を描き、物事同士が拒絶し合い、次第に理解を形成できるようになった。

 

小学生のわたし、何もわからなかったわたしは、なぜ、わたしの背後で、わたしの体を触る男性はここに存在しているのだろうと疑問に思った。

不思議で仕方がなかった。

なぜ、この男の人は、お母さんの股間から出てきたのに、わたしのそこに欲望を感じるのだろう。不思議でしょうがなかった。

この人は、それを知っているのに、その経験を改めて、他者、それも子供のわたしで再び体験をしたいと望んでいる、意味が分からなかった。

この男の人も、昔は赤ちゃんだったし、わたしのような小学生時代も経験してるからだ。つまり、この男の人は、お母さんの股間から出てきて、股間を経験していて、尚且つ子供の体型も経験しているはずだ。なのに、子供のわたしのそこに拘る。

この男の人はどこから生まれてきたのか、分からなくなっていた。悪い人だという事は良くわかる。それは、現に、わたしに直接恐怖を経験させているからだ。

頭の中がごちゃごちゃになった。

 

あの人は、どこから出てきたのだろうか。

一体どこで、悪い人になってしまうような経験をしたのだろう。あの男の人にも、確かに無垢な時代があったはずだ。自ら選択して痴漢になるような出来事ってどんなきっかけなのだろう。何を、どういうタイミングで吸収してしまったのだろう。一体どんな経験だったのだろう。

 

もしかすると、お母さんのお腹の中がよっぽど居心地が悪かったのかもしれない。それでも女性に拘ってしまう理由とは。いや、でも、ひょっとしたら生まれてなかったのかもしれない。やれやれ本当に、どこから現れて、どこに消えてゆくのだろうか。ああいう人たちは。

1/14の夢メモ

変な夢を見たせいで具合が悪くてほとんどねれなかった。床に人が寝転がったり、ゴミが平気で落ちている、まともな街灯もなくて暗くて汚い町を徘徊する夢を見た。

ゾンビみたいな人間たちがしつこく後をつけてきて、泣きそうになりながら暗い路地を、私の手を引く人物と逃げ回った。

あちこち逃げ回って、ビルの外側のコンクリートの階段をのぼると、踊り場のようなスペースで男女がまぐわっていた。わたしが男と女を見て、「映画みたいだ」というと、わたしと、わたしの手を引っ張る人物は、そのままビルの階段から飛び降りて、民家の間の道に逃げた。民家のドアの周りには警察官が一人ずつ配置されていて、女がそっとドアから抜け出そうとすると、警察官が押さえこんで「やめろ!」と大声で怒鳴った。ある女は派手な金髪に短いスカートを履いていて、警察官と取っ組み合いを始め、「あなたが止めたら、お金稼げないじゃない。どうして止めるの、わたしはどうやって稼ぐのよ!」と泣き叫んでいた。

その様子を見て、わたしがなんとなく女の職業や生い立ちを察した。そして、どうすることもできないので、どんどん夜道を進んでいった。まっすぐ進むと行き止まりで、オレンジ色のニット帽をかぶった男性がわたしに歩み寄ってきた。いよいよおしまいだ、と思ったとき、わたしは、その男の背後にいた白くてレースをふんだんにつかったロリータを着ている女の子の姿にようやく気が付いた。女の子は金髪で髪の毛は細くてサラサラだったが、目が無かった。あと、お腹に穴が開いていて、ひどく出血していた。明りのない道に、血だまりが出来た。あまりに周囲が暗すぎて、その血は赤というよりほぼ黒に近い色に思えた。だけど、不思議と悪意や殺意を感じなっかった。わたしは何も抵抗せず、女の子にギュッと抱きしめられて目を瞑って目覚めた。

 

大学生活を通して生活が向いてないと気付いた

大学生活が終わるので、大学生活を振り返るメモを残しておきたいので、ちょっとだけ振り返りの記録を取ります。以下の文章は自身の経験に基づいた、たいへん、個人的な意見なので参考にしないように。

 

まず、大学に入ってよかったか、という疑問について。

個人的には良かったな、と思えた。

もちろん大学生活が4年間通して楽しかったわけではないし、学校という空間はかなり苦手なので半分以上辛かった思い出しかないかもしれない。それでも、幅広く学問の基礎知識に強制的に触れる機会が授業というものなので、興味のなかった分野の学問の世界をチラリと覗くことができたような気がする。恐らく、独学だとどうしても怠惰な性格ゆえに、興味のない分野に関しては手を出すことはできなかったと思う。いい加減な知識を働かせるより、他者からの意見を踏まえてからというワンクッション置くとかした方がいいなと思った。(※わたしは)

専門科目は勿論、大学の設備がないと厳しい部分があるのでこれは当然ありがたかった。

 

大学に入って辛かったこと:コミュニケーション

  • 先生とのやり取り

先生とのコミュニケーションがかなり重要だった所は、コミュニケーションが不得意なわたしには本当に向いていないので辛かった。かなり仲良くなれた先生もいれば、嫌われてしまったこともあったので、全員から好かれるパーソナリティーを演じきることも、作り出すことも出来なかった。

しかし、先生同士でも派閥があるようで、内部争いをしていた。闇である。先生も苦労しているようだった。というか人間関係は、よっぽど一人でやっていける仕事スキルを身につけていないと避けることができないので、今後も人間関係に関する問題は付き纏うのだと痛感した。

  • 飲み会

加えて、お酒が飲めないのでお酒のコミュニケーションが出来なかった部分もかなり苦労した。サークルやゼミのやり取りは、結構お酒の場で展開していく。飲み会に参加できないと、親睦を深めるのは困難だった。いやでもこれは飲み会以外で会話するスキルが足りてなかったのかもしれないけど!そもそも、飲み会のコミュニケーションは、会話を目的とした会話である。わたしは目的のない会話が苦手なのだ。曖昧に会話を続けているうちに、自分が無限に趣味の話を展開し続ける事しかできないマシーンだと途中で気付いたので、共通の趣味を持っている集団(サークル)に所属することを決めた。が、そこでもあんまりうまくやれなかった。これも向いてないようであった。

  • 人間があまりにも多すぎる事

これは一番つらかった。多すぎるというのは、数はもちろん、人間性から何やらまでに至る。多すぎてよかったのは、一人一人が目立たないから、学校のクラスのようにカーストが出来上がりにくい事くらいかもしれない。

人間が集まると、ろくなことがない。朱に交われば赤くなる。言葉遣いもうつるものだし、知らず知らずのうちに失礼な発言や動作をまねているかもしれない恐怖があった。しかし人間からしか社会性を学び取ることができないので、各自適度な距離感を作っていくしかない。常識だけは人を見ないとわからない。

あまりにも思想が違うと感じる人への接し方が大変だった。最も苦労した。その思考の流れは倫理的、常識的によろしくないんじゃないかと指摘したところで、今まで積み上げてきた他人様の経験に対してあれこれ口を酸っぱくして指摘するのも失礼に値する。それでも、ご飯を食べる時にクチャクチャ音を立てて食べるのは、クチャクチャ音を立てて食べる集団にしか受け入れられないので、レベルに影響する経験だと思うところもあるが。

加えて、幼少期からの経験は大学生くらいのいい年齢になってしまうともう出来上がり過ぎていて、今更直しが利かないのだ。わたしの経験はこうこうこれこれ、でもあなたはこうこうこれこれであった、違う人間なので仕方がない。自分が許せないことを、他人は平気でするかもしれない。そういう恐怖は死ぬまでなくならないのだ。

諦めでは、妥協では、と世間はいうかもしれないが、どうしても諦めや妥協が重要である部分も存在することをなんとなく理解していかなければいけないのかもしれない。

あれこれ口酸っぱく指摘しても、他者は他者のペースがあり、わたしのペースで生きていかない。いくつかの会話を通して容易くその他者を変えてしまっても、変えてしまったことに対する責任はとるのはかなり難しい。

変化すると、変化が馴染むまでに前後にバグが起きる。一つズレると、すべてズレる。これは、物事にも人間にも言えるだろう。我々は生涯を通して、ズレに対して慎重に対処していく他ならないのだ。めんどくさいと思うかもしれないが、この面倒くささに対しては、早々に諦めを感じるべきなのだろう。

 

くらげワルツ

 くらげが、ふわ~って浮いている。ねえねえ、葛西臨海公園のさあ、汚い海のことをまだ覚えてる?わたし、それっぽい気持ちにようやくなれて、海が見たいって言って、わざわざこんなところまで足を運んだんだよ。なのにさあ、こーんなでっかい水たまりを見に来たわけじゃないのに、もっとロマンチックになれるものを見に来たのに。でも、第一声が、「うわ、汚な」だったらそれこそぶち壊しじゃん?それで、仕方なく公園の中を散歩したよね、お互いに黙って。申し訳程度に、“巨大な水たまり”に目をやると、最初はゴミ袋かなんかかと思ってたんだけど、よく見てみたら、フワフワ~って浮いている、いつも水槽で見ていたヤツがいるの。その瞬間にさ、あたし、これになろうって思っちゃったんだよね。これに、なるんだってね。

 

 

「くらげの体は、90%以上が水で出来ていて、彼らは死ぬと水に還ります」

くらげの水槽のまえでぼくと彼女は手を繋いで、館内に響く無機質な音声ガイドを聞いていた。僕が彼女の手を強く握って、欲望の度合いを表す。すると、彼女は「あっ」と声をあげて、フリルが施されたパーカーのポケットから、マイメロディのボールペンを取り出した。

 そうやって、彼女は時折メモを取ったりしながら、かなり熱心に、ぼく以外の声に耳を傾けていた。ぼくは、一見、いかにも、と言われてしまいがちなかわいい服装をしつつも、勉強熱心である彼女の一面がとても好きだった。

 フリフリで縁取られたハートのポケット付きのピンクのフリフリのパーカーは、少しだけサイズが大きめのもので、だぼっと着こなしている。お尻よりやや下にあるパーカーの下に、赤いチェックの短いプリーツの入ったスカートを穿いていた。不釣り合いなニーソックスの長さは、スカートの短さを際立たせていた。

 彼女のペンの動きが止まったところで、「メモ、取れた?」と、ぼくが彼女に尋ねる。しかし、彼女が返すのは意味深な微笑みだけで、次はここへ行こう、あの水槽がみたい、そういった類のわがままも言わない。そうこうしているうちに2時間が経ってしまった。ぼくらはずっと水槽をぼーっと見ていた。居た堪れなくなったぼくは彼女の親指をつついた。

「今めもめもしてるから待ってぇ」

勉強熱心を言い訳に、手を繋ごうとするのを拒絶したいのだろうな。ぼくは諦めて、彼氏の特権を短く利用して、彼女の頭を撫でた。ふにゅう、と声を漏らす。

知っている。

 彼女は別に、勉強が好きなわけではないし、ぼくのことが好きなわけでもないのだろう。

 機能性がないハートの形に縫い付けられたポケットからは、いつボールペンが落ちてしまってもおかしくなさそうだ。

「くらげを見るのは何回目?」

「ふにゅう」

横から覗いたメモ帳には、同じような内容の文章がいくつも乱雑に書き込まれていた。

『くらげは、死んだら水になれる。』

『くらげは死んだら、みず。』

『くらげはみずみたいなもので、死んだら海になる。』

「やっぱり。何回も、ここに来ていたんだね」

 メモは、他の男の人と行っても取るのかな。だったら安心だ。彼女はぼく以外の男の人にも興味がないということだ。誰にも触れられたくない、ただそれだけを意味する知識が、マイメロディのメモ帳に残されている、そのメモひとつで彼女とぼくを含む周りの人間たちの距離感がわかる。ぼくはひどく混乱していた。静かに、気持ちを整理する時間が必要だった。けれど、沈黙を破ったのは彼女の方からだった。

「ふにゅう」

「なに?ちゃんとメモできた?」

僕は微笑むんだ。彼女が答える。

「ねえ、それっぽい海が見たい」