冷静と失禁のあいだ

死ぬまで踊り続けるマグロさんの話

人の波の満潮

今ね、お散歩してるんだけど、辛いから。人が沢山おるんよ。
辛いことがあるときとか、なにか考えたい時とかは、とにかく歩くようにしてるんだけど、今日はちょうどそういう気分でひたすら暗闇に飲まれようとしている街を歩いてる。現代的なネオンの星が眩しくて、人の顔が見えてしまうのが悔しい、自分の顔が照らされて、誰かに見られてしまうのが悲しい。
今の私、どんな顔してるんだろう。
道行く人たちには、行く場所がある。目的があってきっと歩いてる。けど、あたしは目的なく歩いてる。
誰かに会いにいくためとか、約束があるわけじゃないのにただひたすら歩いてる。散歩して、人に会うだけで、その人には目的があるのにあたしには何もないことに気付かされる。
夜の闇が深くなるに連れて、人が見えなくなり、あたしがちょっとだけ安心する時間がやってくる。