冷静と失禁のあいだ

死ぬまで踊り続けるマグロさんの話

あまいものだいすき

あまーいケーキは糖衣錠カリカリ砂糖のカラフルさはトランキライザーを思わせるマカロン、喉と鼻のあたりでふわりと上品に香る紅茶は安堵のひと時。

フリルのように可愛らしく縁取られた生クリームの形を見つめて、ほうっと幸せなため息をつく。

確かに、高校くらいまではそれで幸せだった。

美味しい物を食べると幸せな気持ちになるし、何より心が落ち着く。

本当においしい物に出会えたときの快感は、親友を見つけたくらいの喜びで、すさまじいものだ。

大学に入学して、あたしはポリポリ食べてる精神安定剤

いつの間にか、一番落ち着く瞬間に、一位を譲られた存在。

落ち着ける瞬間はもうこの薄いシートに委ねられていた、総てを。

一枚、二枚、三枚、とお皿を数えるように錠剤シートを数える日々。

スイーツが切れた時の焦燥感。

どこか似ているのは確か。

でも、全然違ってずっと悲しい。

虚無感。

いつか訪れる死は甘いのだろうか。