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冷静と失禁のあいだ

アンハッピーセットのオマケは幸せな夢を孕むか

誰かの目に留まることが大事なわけじゃない

きのう、カットモデルをする機会がたまたまあったので、代官山へ足を運んだ。
代官山と表参道は結構似ている気がする、といっても両方共2回くらいしか行ったことがないけど。
カットモデルはだいたい、お店が終わったあとの時間に頼まれることが多くて、時計の時刻は夜の8時過ぎを回っていて、あたりは真っ暗で、道案内をする気がないんじゃないかってくらいぽつぽつと置かれたお洒落なライトしかない代官山は、若者たちを賑わせることのないように、静寂が保たれていた。
あまりにも街灯が無さすぎて行くたびに道に迷う頭の悪さと記憶力の無さを呪いながら街を練り歩くと、まあ、雰囲気を保つためだけに作られた街と思えばそう悪くないなあと思い始めたので、ぐるっと周りながら景色を楽しむことに集中した。
その時、ふと目に入ったお店がとっても素敵で不思議な雰囲気を醸し出していた。ちいさな、本当に狭い、私の部屋くらいしかないんじゃないだろうかと思うほどの店内が、たった一つの、天井からぶら下がっている灯りでライトアップされていた。赤い店内に、黄色いライト。中途半端に閉められたカーテン。閉店でありながらも、店内にある商品は、ピアノの発表会のようにスポットライトを浴びていた。ちいさな、閉店後の、誰の目にも止まらないような発表会を目にした私は、じっくりと、そこに並べられた商品を覗いてみようとしたが、あいにく、カーテンが遮っていて全ては把握できなかった。
そんなことをしている間に、カットモデルの予約の時間が過ぎていて、大急ぎで目的地へと向かった。
私が駆け足で通りを抜けるなか、他のお店でも、誰の目にも留まらないような、密かな発表会が行われているのかもしれない。
何が言いたいかというと、夜の代官山が好きだってことだけです。