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こどもと鉄の塊笑顔

今思えば、幼稚園の頃が一番幸せだったのかもしれない。

私の通っていた幼稚園は先日潰れてしまった。

ある日ポストの中に、来年度からの募集は停止とだけが書かれたシンプルな手紙が入っていた。わたしは、その、無駄のないシンプルな内容を舐めるように読むわけでもなく、適当に手紙に視線を向けただけで内容を理解できてしまうような代物をすぐにゴミ箱に捨てた。

そのあと、大学から帰る途中気になって元幼稚園に足を運んでみた。誰もいなくなった、狭い土地には大きなアスレチックと小さな建物、その隙間から殺風景な教室が見える。子供たちのいないアスレチックは何とも不気味な物であった。もうアスレチックは遊ぶための場所ではなくなっていた。狭い土地にあるのは、アスレチックではなく不思議な形をした、ただの古びた鉄の塊になっていた。