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『怒り』感想

映画 感想


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脚本について、テーマがはっきりと見えてこなかったので、あんまりうまくまとめられているとは正直思えなかった。

綾野剛は心臓の病気で体が弱いのに男とセックスを死ぬ前までし続けるし、心臓が弱いのに大丈夫なのかよ……となってしまう。そして最後に公園でネコのようにの垂れ死ぬ。(掘られていたので文字通りネコであった。)

 

作中で『信用』という言葉が頻繁に出ていたが、尺の関係なのか、中途半端で掘り下げられていなかったので、詳しい性格や背景まで見えてこなかった。

 

そして何よりも印象に残ってしまった、広瀬すずがレイプされるシーンは本当に見てて泣きそうになった。

今までの広瀬すずのイメージは、若さもあって清純さであったが、『怒り』での広瀬すずは、清純のイメージで固められた広瀬すずのファンがどう思うのか。冒頭で、広瀬すずが砂浜をかけていくシーンは、その清純のイメージをそのまま描いているようで、中盤からの展開とのギャップがありかなり気分が悪くなる。この作品をきっかけに新しいタイプの役を演じられる機会に繋がるような傑作であったら良かったものの、言葉通りの体当たり演技で、演技力とは関係ない面の主張に感じられた。ただ、広瀬すずは清純キャラを演じているが、こういったジャンルも対応が可能ですと提示されているようで、この役を演じて、かなり精神的に不安定になったのではないかと、見ていて心配になる。(ここで今敏の『パーフェクトブルー』で味わった胸くそ悪さがふっとでてきた。『パーフェクトブルー』のヒロインの感情の事で作品の内容についてではない。)

 

こいつは簡単に騙せるぞ、と見抜けても、それは簡単に信用してくれることではない。むしろ、他人を信用できる、その真っ直ぐな純粋さに、男は殺されたのかと思う。少年の心と、たまたま知り合った汚い男の悪意とのふたつに挟まれて、ただ叫ぶ事しかできないうら若き少女の、解消しきれない気持ちはどうなるのか。それは本当に、怒りという感情に収まりきるものなのだろうか。