冷静と失禁のあいだ

死ぬまで踊り続けるマグロさんの話

電車かもしれない

バイト先の駅周辺で割と自殺がある。地下なので血と肉の臭いが地下鉄独特の湿気に溶け込んでいるのかと思うとゾッとする。もともと電車が凄く苦手で、一駅ごとに降りてトイレ行って一人になり、心を落ち着けてからまた電車に乗りなおして目的地に向かう……そんな感じのことを繰り返して頑張って出かけていた。あんまりにも具合が悪くなりやすいのでとりあえず朝起きたらヨガして体動かして豆乳を飲んでヨーグルト食べてビオフェルミン飲むようにしたらちょっとマシになった。

でも、人身事故みたいな予想外の事が起きると、また具合悪くなって気持ちが悪くなり、さらに混雑で人酔いしてまた具合が悪くなる。暑さ、周囲の乗客の苛立ち、死の名残の重々しさが車両全体を包み込み、気分の悪さが尋常じゃない。急停車してサイレンが鳴った電車を面白がって写真に収める人間もすごく怖いし、「人身事故なう!」と映像に残す気持ちも理解の範疇を超える。一体人はどこまで残酷になれるんだという可能性を感じながら、実際、黄色い肉のぶつぶつ(脂肪?)が混じった水っぽい血液を見ていると、知らず知らずのうちに「アー」と呟いている自分がいる。