冷静と失禁のあいだ

死ぬまで踊り続けるマグロさんの話

おやすみ

幼稚園の頃から、クラウディオアラウのピアノ演奏を聴きながら夜景を見るのが好きだった。暗闇と、ビルと、安っぽそうなライトで光る企業の看板が不釣り合いで、ずっと音楽に耳を傾けていた。ピアノを聞くと頭の中にはいつもきちんと見たい景色が描写される。この上なく落ち着く時間。私のみたい景色はいつでも夜にある。明るくない世界には境界線がない。どちらが私かわからなくなる頃にやっと眠りにつくことができる。おやすみなさい。