冷静と失禁のあいだ

死ぬまで踊り続けるマグロさんの話

正夢

ここのところ、憔悴しきっていたせいか、幻覚がひどく、眠りの浅い日が続いた。

ベッドの隣で、ウッ、ウッ、ウッ……と唸りながら泣く女性の声で目が覚めた。驚きすぎて、ぐるっとあたりを見まわしても、姿も形もなく、しかしどうしようもなく恐ろしい気持ちと、耳の奥にこびりついた声が忘れられなくて、まだあまり顔を出してない朝日を求めて窓を開けた。真夜中と朝の中間で、まだ明るさすら感じなかったが、とにかく解放されたかった。薄暗い景色をみつめて、微睡。再び眠りについた。

といった感じに、毎晩幻聴幻覚に度々見舞われて過ごしていた。

これらの症状は、疲れすぎていることを示していたようで、私は、後日、泣きながら倒れてしまった。3時間ほどその地獄に焼かれるような苦しみから逃げ出す事が出来ず、海が出来るくらいに涙をぼろぼろこぼした。もう、いっそのこと、身を投げて死んでしまおうか、と脳味噌が判断してしまうほどの苦しさだった。そして、昨日も同じように倒れこんでしまった。

意識が飛びそうな苦しみのなかで、ああ、あの、意識が現実か夢かもわからない曖昧な状態で見た泣いている女性は、ここのところ色々な気持ちを殺しながら傷付いていた自分の叫びだったのかもしれない、とふと思った。

私がここ三日間でありったけの涙を流し、泣き叫んだおかげか、あの幻覚はもう現れていない。