冷静と失禁のあいだ

夢日記と映画や本、美術展、エロゲの感想など。

美少女万華鏡の最終章をプレイしたよ※ネタバレあり

ご無沙汰しております。『MUSICUS!』をクリアして、しばらくエロゲがまともにできない(やりたい作品が無い)状態でした。

『鍵を隠したカゴのトリ』も延期してしまい、特にプレイしたいエロゲが無い中登場したのが『美少女万華鏡 -理と迷宮の少女-』です。

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蓮華ちゃんの謎に迫る最終作

 

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目に注目

ディスク盤面をよく見てみると、目の箇所だけ盤面にイラストが印刷されてないので光に当てると目がキラキラします。

『美少女万華鏡』シリーズは低価格エロゲでありつつも、パッケージ版にも拘りがあって良いですね。パッケージ内の説明書裏面が表紙ピンナップ仕様になっているなど、ちょっと拘りを感じる所が地味に好きです。低価格エロゲは大体インストールしたら売却しちゃいますが、こういった細かい拘りがあると手元に残したくなる気持ちも湧いてくるような気がします。

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起動即シンプルなタイトル画面に。『選択』ってどういう項目なんだと興味本位でクリックしたらシステム画面が表示されました。クリックしないとわからない……。無難に『設定』とかでも良かったんじゃないかと思う……。

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初っ端から手厳しいね
 

※以下、物語とHシーンネタバレ注意

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リモートワーク、最高の詩。

私は窓を全開にして、風に吹かれて波打つようなカーテンを背中に、仕事をしている。時々強く吹く風は、どこか遠い町の香りを運んで来てくれるような気がして、よっぽど寒くない限りは窓を全開にしている。近所の家からは、風鈴の音が、ちりん、ちりんと鳴り、洗濯物を叩く音。いよいよ夏が来る、と部屋の中で実感している。少し疲れたら、外に出て深呼吸すればいい。そして、風鈴と木の音に、もっと耳を傾ければいい。部屋に戻っても、小さな夏が、私の部屋に訪れているのだから。

つまり何が言いたいかというと、リモートワーク最高である。

4/14

具合が悪い。はっきり言って死にそうになっている。とにかく具合が悪い。一日中何かを恨んでいる。何かよくわからないものが渦巻いている。何かやるせない気持ちを抱えて、遠くからどこにも向けられない憎悪を抱えた人たちを見ている、リモートで同僚の欲を見ている。表面的な漠然とした不安や怒りに疲れ切ってしまった。みんな何を考えているのだろう。2m以内に近寄れないので、彼らの本心を聞き取ることはできない。

3月14日の夢日記

不況が続く世の中になってしまって、何年か経った世界、会社帰り、上司と私は、てくてく道を歩き、商店街の中を通った。濃紺の夜に、等間隔で並ぶ街灯が、ひとだまのよう。その色はまるで亡霊の透き通る白い肌だった。さらに歩いていくと、ある一つの街灯に、忘れ物を引っ掛けるように、首を吊った男性がぶら下がっているのを見つけた。男性の遺体に気付くと私は声を上げて、上司の体に引っ付いた。良い口実が出来たと思った。

休業・休校期間にあわせて無料で見られるコンテンツまとめ

半分自分用メモに見つけ次第追加してます。

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思い出を"味わう"体験 『記憶の珍味 諏訪綾子展』

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選んだ『記憶のにおい』のチケット


資生堂ギャラリーで開催中の『記憶の珍味 諏訪綾子展』に行った。

bijutsutecho.com


展示室中央には椅子とテーブルが、そしてそれらを囲うように『記憶のにおい』が展示されていた。『におい』は8種類あり、果実のような甘い香りのものから、思わずうっと声が出る強烈な『におい』まで様々。

 

この展示で、『におい』を食べることは事前に知っていたので、初めは口にすることを前提で、果実のような香りの『におい』を選ぼうとしたが、時間もあったので、ひとつひとつ慎重に楽しみ、選んだ。

 

結果、『孤独と自由』という『におい』に辿り着いた。誰もいない深い森で、人目を気にせず深呼吸するような、不思議な心地よさがある『におい』だ。

 

その後、館内のスタッフの方に声をかけて、選んだ『におい』のチケットをいただき、待つこと40、50分ほど。一人ずつ『におい』を味わうため、10人しか並んでなくても、だいぶ待ちます。

自分の番になり、手を消毒して(今の時期、ここはとても重要!)、ヘッドフォンを装着、真っ暗な部屋に通される。ヘッドフォンからは人間の呼吸音のような音声と、部屋の中での指示が流れ、指示が来たら、暗い部屋の一か所で光る『におい』を口にして、味わう。傍から見たら、すごいシュールな絵面だ。ちなみに、食べる『におい』は、透明なグミでした。多分。先ほど選んだ『におい』が、口いっぱいに広がる。


果たして私は、この『におい』に結び付くような経験をしているのかしら……と色々思いを巡らせていたら、あっという間に終わりの合図が。もうちょっと時間頂戴!というのが正直な感想。

過去には、じっくり味わえる機会もあったようだ……。

www.fashionsnap.com

 

たとえば、友達と話している時に『思い出の味』というワードが、たまに現れる。

私たちは食べ物を口にすると、美味しい、不味い、好き、嫌い、と判断している訳だが、『思い出の味』は、必ずしも『美味しい』ものとは限らない。

何か嬉しかったり、辛いことがあったりした後に、たまたま口にしたものが、その記憶を思い出すきっかけとなる、なんてこともある。

他にも、思い出や記憶を振り返る時に、「苦い思いをした」と話すことがある。

 好きな人との「甘い」ひと時だとか、辛い思いをする……は「からい」ではないが、わたしたちは、経験を食べ物のように、実はひとつひとつ、味わっているのかもしれない。

今回の展示では、透明なグミが出てきた。『美味しい』や『不味い』の評価軸からかけ離れた見た目から入ることで、より思い出や記憶を味わいやすく配慮されていると感じた。

会話の中で、「~っぽい味」とか形容することはあれど、食べ物から思い出や記憶を想起する、といった体験なんて、殆どないので新鮮な体験だった。ついでに花椿の最新号とバックナンバーもいただき、ホクホクです。


出来れば、21世紀美術館でやっていたフルコースをまたやって欲しいなあ。
その時までには、この不思議な感覚にも慣れているはず……。

迷える人を導く"物語" 『八本脚の蝶』が文庫版に

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大学生2年生くらの時だろうか、二階堂奥歯の『八本脚の蝶』を手に取ったのは。

 

当時のインターネットで、南条あやの『卒業式まで死にません』、山田花子の『自殺直前日記』といった作品が紹介された流れで気になった作品。

 

上記のタイトルをご存知の方には、どういった文脈で紹介されているか察しが付くと思うが、『八本脚の蝶』は、25歳という若さで、自らの意思基づき、亡くなった女性編集者のエッセイ集である。

 

調べればすぐ分かるが、国書刊行会の編集者だ。そしてタイトルで検索すれば、彼女のブログをネット上で読むことが出来るので、なんとなく内容が気になった方はまず検索してみても良いかも。

 

大変な読書家だったため、本書には幻想文学、SF、コミックなど幅広いジャンルの作品が取り上げられ、時にはエッセイ内で引用、紹介されている。なので、「最近読みたい本がない」といった迷える読書家さんたちにとって本書はたいへん良い読書案内にもなるに違いない。

 

あと、ほんのり自殺願望がある人にもぜひ手に取って欲しい。本への愛がひしひしと伝わって、まだ世界にはこんな魅力的な本があるのか、と思える。その他、ファッションやコスメ、ドールなど話題も豊富で、引っかかるものがきっとあるはず。エッセイの良い点は、自分以外の人間の、リアルな主観がそのまま書かれているので、生々しさに救われる所だ。

 

 

そして、ジュンク堂では表紙のカードが付いてくる。

万華鏡を覗き込むように、蝶をあしらい、さらに奥歯さんが好きだった作家、ボルヘスの『バベルの図書館』*1がモチーフになっているのかしら。とっても素敵、なによりも、愛がある。たいへん良い。タイトルが改行されているのが若干気になるけど(仕方ない)

*1:岩波文庫『伝奇集』に収録されているはず